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食品に関する営業の区分

食品に関する営業の区分

何らかの食品を調理し、顧客に飲食させる「飲食店営業」を行う場合は、保健所にて「飲食店営業許可」を申請する必要があります。しかし、提供する料理の種類によっては、飲食店営業許可とは別に他にも許可を取得する必要があります。

例えば、店舗作った生地で焼いたパンを提供する場合、「菓子製造業」の許可が必要になります。菓子の他に、あん類、アイスクリーム類、乳製品、食肉製品、魚肉ねり製品、清涼飲料水、乳酸菌飲料、氷雪、食用油脂、マーガリン又はショートニング、みそ、醤油、ソース類、酒類・豆腐納豆、めん類、そうざい、缶詰又は瓶詰食品、添加物といった21もの種類があります。これらは全て「製造業」として区分されます。それに対して「飲食店」とは、食品に手を加えて調理することが出来る「調理業」として区分されます。

ちなみに自家製梅酒を食前酒等として提供する場合、焼酎等に梅等を漬け込むようないわゆる自家製梅酒は厳密に言えば「酒類製造」に該当するため、酒類製造免許や酒税の納税等が必要になります。ただし、次の全ての要件を満たすときには、例外的に酒類の製造に該当しないものとみなされます。

自家醸造の特例措置適用要件

特例措置の適用を受けることができる者

「酒場、料理店等酒類を専ら自己の営業場において飲用に供する業」を営んでいる者

特例措置の適用要件

  • 酒場、料理店等の自己の営業場内において飲用に供することを目的とすること
  • 飲用に供する営業場内において混和を行うこと
  • 一定の蒸留酒類とその他の物品の混和であること

混和できる酒類と物品の範囲

混和に使用できる「酒類」と「物品」は次のものに限られます。また、混和後、アルコール分1度以上の発酵がないものに限られます。
・使用できる酒類・・・蒸留酒類でアルコール分が20度以上のもので、かつ、酒税が課税済のもの
・使用できる物品・・・混和が禁止されている次の物品以外のもの

(イ) 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでん粉又はこれらのこうじ

(ロ) ぶどう(やまぶどうを含む。)

(ハ) アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす

(ニ) 酒類

年間の混和に使用できる酒類の数量の上限

混和に使用できる蒸留酒類の数量は、営業場ごとに1年間(4月1日から翌年3月31日の間)に1キロリットル以内に限られます。

特例措置を行うための手続き

上記の特例措置を行う場合は、次の手続等が必要になります。

開始申告書の提出

新たに混和しようとする場合には、混和を開始する日の前日までに営業場の所在地を所轄する税務署長に対して「特例適用混和の開始申告書」を提出する必要があります。

混和に関する記帳

混和に使用した蒸留酒類の月ごとの数量を帳簿に記載する必要があります。

なお、消費者自ら又は酒場、料理店等が消費者の求めに応じて消費の直前に混和する場合や消費者が自ら消費するために混和する場合にも例外的に製造行為としないこととされています。

飲食店を開業するための要件

飲食店を開業するための要件

実際に飲食店を開業するために必要なこと・要件はどんなことでしょうか?「設備要件」「欠格要件」「人的要件」の3つにまとめてみました。

設備要件

用途地域

  • 近隣商業地域
  • 商業地域

場所

  • 衛生上必要な措置を講じた清潔な場所を選ぶこと。

建物

  • 鉄骨、鉄筋コンクリート、木造造りなど、十分な耐久性を有する構造であること。

区画

  • 汚染を防止する為、使用目的に応じて、壁や板などにより区画してあること。

面積

  • 取扱量に応じた広さがあること。

  • タイルやコンクリートなど、耐水性材料で、排水がよく清掃しやすい構造であること。
  • 清掃に水を使用する場合は、耐水性材質で適度な勾配と排水溝の設置が必要。

内壁

  • 床から1メートルまで耐水性で清掃しやすい構造であること。

天井

  • 凹凸がなく清掃しやすい構造で、配管ダクト、照明器具等の露出は避けること。

明るさ

  • 50ルクス以上(作業場は100ルクス以上)あること。

換気

  • 煤煙、蒸気等の排除設備(換気扇等)が適切であること。
  • ダクトによって屋外に排気する場合は、近隣の迷惑にならないよう、その高さや方向に注意し、フードを設置する場合は、天井との隙間がないよう直接つけ、外面は垂直にする。

周囲の構造

  • 周囲の地面は、耐水性材料で舗装し、排水がよく清掃しやすい環境にあること。

ねずみ族、昆虫等の防除

  • ねずみや昆虫などの防除するため、網戸や自動ドア等を設置すること。
  • 排水溝には、鉄格子、金網等をつけること。

洗浄設備

  • 原材料、食品や器具等と洗うための流水式洗浄設備を設置すること。
  • 従事者専用の流水受槽式手洗い設備と固定式の手指の消毒装置を設置すること。(大きさのめやすとしては肘まで洗える大きさで幅36cm×奥行き28cm以上、蛇口は足踏式かハンドコック等推奨)

更衣室

  • 清潔な更衣室又は更衣箱を作業場外に設けること。

器具等の整備

  • 取扱量に応じた数の機械器具及び容器包装を備えておくこと。

器具等の配置

  • 移動し難い機械器具等は、作業に便利で、清掃及び洗浄がしやすい位置に配置すること。

保管設備

  • 原材料、食品や器具類等を衛生的に保管できる設備があること。
  • 食器戸棚、器具保管庫等は、必ず戸をつける。

器具等の材質

  • 耐水性で洗浄しやすく、熱湯,蒸気または殺菌剤等での消毒が可能であること。

運搬具

  • 必要に応じ、防虫、防塵、保冷のできる清潔な食品運搬具を備えること。

計器類

  • 冷蔵、殺菌、加熱、圧搾等の設備には、見やすい箇所に温度計及び圧力計を備えること。また、必要に応じて計量器を備えること。

給水設備

  • 水道水又は飲用適と認められる水を豊富に提供できること。(貯水槽を使用する水、井戸水等使用する場合は、年1回以上水質検査を行い、成績書を1年間保存する必要がある。)

便所

  • 作業場に影響の無い位置及び構造で、従事者に応じた数を設け、使用に便利なもので、ねずみ族や昆虫などの防除設備、専用の流水受槽式手洗い設備(肘まで洗える大きさ:36cm×28cm以上)及び手指の消毒装置を設置すること。
  • 消毒装置は固定式であること。
  • 蛇口は足踏式かハンドコック等推奨。
  • 床には排水溝を設け、浄化槽のマンホール等が食品取扱い施設に影響しない場所にあること。

汚物処理設備

  • 蓋があり、耐水性で十分な容量があり、清掃しやすく、ハエ等の衛生害虫の侵入・繁殖を防ぐため汚液や汚臭が漏れないもの。

清掃器具の格納設備

  • 作業場専用の清掃器具と格納設備があること。

冷蔵設備

  • 食品を保存するため、十分な大きさを有する冷蔵設備を設けること。冷蔵設備内に温度計を設置すること。

洗浄設備

  • 洗浄槽は2槽以上とすること。ただし、自動洗浄設備のある場合又は食品の販売に付随するものであって、当該食品の販売に係る販売所の施設内の一画に調理場の区画を設け、簡易な調理を行う場合で、衛生上支障ないと認められるときはこの限りではない。(自動洗浄設備自体は1槽とみなさない場合がある)
  • シンク1槽(内径)のサイズが「幅45cm×奥行き36cm×深さ18cm」以上であること。

給湯設備

洗浄及び消毒のための給湯設備を設けること。

客席

  • 客室及び客席には、換気設備を設けること。
  • 客室及び客席の明るさは、10ルクス以上とすること。
  • テイクアウト専門など食品の調理のみを行い、客に飲食をさせない営業については客室及び客席、客用便所を必要としない。
  • 厨房と客室が扉等で区分されていること。

欠格要件

飲食店営業を行うためには、下記の要件に該当しないことが条件となります。

  • 過去に食品衛生法に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は、執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しないこと。
  • 過去に食品営業の許可を取り消され、その取消の日から起算して2年を経過しないこと。
  • 法人であって、その業務を行う役員のうち上記のいずれかに該当する者がある場合。

人的要件

飲食店営業を行うためには、施設ごとに食品衛生責任者を置くことが要件とされています。食品衛生責任者は下記の条件に当てはまる人が就任できます。

  • 栄養士、調理師、製菓衛生師
  • 食鳥処理衛生管理者、船舶料理士、ふぐ包丁師
  • 医師、歯科医師、薬剤師、獣医師
  • 大学等における畜産学、水産学、農芸化学等の課程卒業者
  • 食品衛生責任者養成講習会修了者

食品衛生責任者養成講習会について

各都道府県及び市区町村の食品衛生協会が主催しています。受講日は各々の食品衛生協会によりけりです。月に4回ほど実施されていますが、コロナ禍において人数制限等を行っているところが多く、申し込みから1か月~2か月待ちのところが多いですので、受講をご検討の方はお早めにお申し込みください。
食品衛生法と食品衛生学、公衆衛生学の計6時間を1日で学びます。9-16時の場合もあれば10-17時の場合もあります。
テキストに沿って授業が行われます。現場レベルの話やHACCPなど食品衛生にかかわる法律的な話など、これから飲食店経営を行うにあたって必要な情報を学びます。ただし、居眠りは禁止されていますので、実際に居眠りをすると肩をたたいて起こされます。また、授業中にスマホをいじることも禁止されています。座学の機会はなかなかありませんので集中して受講しましょう。
受講される際は日程を確認の上、必ず各衛生協会のHPをご覧になり、ご不明な点は各協会にお問い合わせ下さい。

神奈川県内の食品衛生協会

開催場所住所
川崎市食品衛生協会神奈川県川崎市幸区南幸町3-126-1
横浜市食品衛生協会神奈川県横浜市南区井土ヶ谷下町17-5

飲食店営業許可申請において必要な書類

飲食店営業許可申請において必要な書類

営業許可申請書

  • 申請者の住所は住民票の住所と同じ記載をしなければならない

営業施設の大要(2部提出)

  • 調理場・客室・トイレについての概要

営業設備の配置図 (2部提出)

  • 「別紙のとおり」と記載し、別紙に図面を用意することも可能

食品衛生責任者養成講習会修了証の原本

  1. 申請時に取得が間に合わない場合は誓約書を提出

水質検査証のコピー

  • 貯水槽の場合のみ

履歴事項全部証明書

  • 法人の場合のみ

上記の書類に加え、申請手数料(神奈川県の場合:16,000円)が必要となります。

申請先

申請先

お近くの保健所へお問い合わせの上、申請してください。

市区町村保健所名電話番号
横浜市 青葉区青葉福祉保健センター生活衛生課食品衛生担当045-978-2463
横浜市 緑区緑福祉保健センター生活衛生課食品衛生係045-930-2365
横浜市 都筑区都筑福祉保健センター生活衛生課食品衛生係045-948-2356
川崎市 高津区高津区役所地域みまもり支援センター衛生課食品衛生係044-861-3323
川崎市 宮前区宮前区役所地域みまもり支援センター衛生課食品衛生係044-856-3272
川崎市 麻生区麻生区役所地域みまもり支援センター衛生課食品衛生係044-965-5164

その他の開業にあたって必要な行政手続

その他の開業にあたって必要な行政手続

飲食店を開業するにあたり、保健所に申請する飲食店営業許可以外にも必要な行政手続きがありますのでご紹介します。

申請先提出書類提出期限
消防署防火対象物使用開始届
防火対象物の工事等計画の届出
使用開始の7日前まで
税務署開業届営業開始日から1カ月以内
警察署※深夜酒類提供飲食店営業開始届出営業開始の10日前まで
労働基準監督署労働保険保険関係成立届雇入れの翌日から10日以内
※「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」は、深夜0時を過ぎて営業し、かつお酒をメインで提供する場合に必要となります。

飲食店営業許可申請サポート費用

サポート費用:66,000円(税込み/16,000円の申請手数料込)

サポート内容
・保健所との事前打ち合わせ
・申請書作成のためのヒアリング
・添付書類の取り寄せ
・保健所への申請書類の提出
・申請手数料の納付
・店舗検査日時の予約
・店舗検査の立ち合い
・保健所での営業許可証の受領
サポートエリア
・横浜市青葉区
・横浜市緑区
・横浜市都筑区
・川崎市麻生区
・川崎市宮前区
・川崎市高津区
申し訳ありませんが、上記のエリア以外でのお申し込みはお断りしておりますのでご了承下さい。
その他注意事項
・お店の図面(平面図)が必要となりますのでご用意ください。
・お店の面積は30坪までとさせていただきます。
・当サポートは飲食店営業許可を保証するものではありません。

法人設立/定款変更

飲食店営業許可申請を行うにあたり、個人事業主から法人設立(法人成り)をご検討の方は弊所の「会社設立サポート」を是非ご検討ください。先に法人化して、その後に許認可を取得する流れがベストです。
また、既に法人化されている方におきましても設立当初の定款(原始定款)のままでは提出できない場合がございます。定款の内容を最新かつ飲食業許可申請に沿った内容に変更する必要がある場合は、弊所までご相談ください。
※このサービスは「書類作成」のみです。法務局への申請はお客様ご自身で行っていただきます。別途登録免許税が必要です。

  • 株式会社の設立
  • 合同会社の設立
  • 商号変更
  • 目的変更
  • 本店移転
  • 役員変更
  • 役員の氏名・住所変更
  • 支店の設置・移転・廃止
  • 監査役の設置・廃止

詳細は会社設立サポートサイトをご覧ください。

ご依頼の流れ

ご依頼の流れ
  1. まずはお申し込みフォームにてお申し込み下さい。
  2. 弊所にて見積書を発行いたします。お支払いは銀行振り込みとなります。
  3. 見積内容にお間違いがなければ、見積書発行日から2週間以内にお振込みください。
  4. お客様のお店(の予定地)を訪問し、お店の構造や設備が許可要件を満たしているか確認するとともに、申請書類作成のためのヒアリングを行います。(お店の図面(平面図)をお借りします)
  5. 弊所にて保健所との事前打ち合わせを行います。
  6. 弊所にて申請書類の作成を行うとともに添付書類の取り寄せを行います。
  7. 弊所にて保健所に申請し、店舗検査の日時を予約します。
  8. お客様のお店にて保健所による店舗検査が実施されます。(弊所も立ち合いに同行します)(店舗検査は調理場とトイレの設備が対象ですので、客室のテーブルなどの備品類の設置が未完成であっても問題ありません)
  9. 許可の決定が下されると、保健所にて許可証が交付されます。(許可書の交付には、数日から1週間かかります)
  10. 晴れて営業開始!
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